太陽光パネルを設置した屋根に塗装する時の注意点

太陽光パネルを設置した屋根も塗装は可能

近年はエコや省エネの観点から、太陽光パネルを設置する住宅が急増しています。現在は新築住宅の約4〜5割が太陽光パネルを設置するともいわれており、今後もその数は増加する見込みです。

太陽光パネルの設置を行う際、メンテナンスとしての屋根塗装ができるのか、そもそも必要があるのかという点について気になる人は少なくありません。

太陽光パネルが屋根を覆っているのだから塗装は不可能ではないかと考える方もいるかもしれませんが、屋根塗装は可能です。むしろ太陽光パネルを設置していても露出部分は紫外線や雨風にさらされ劣化しますし、パネルに覆われている部分も劣化しないわけではないため屋根塗装は必要です。

太陽光パネルを設置した屋根の塗装タイミングと塗装方法

太陽光パネルが設置された屋根の塗装タイミングは「屋根塗装のタイミングに合わせる」「太陽光パネル撤去・交換のタイミングに合わせる」の2パターンに大別できます。

一番わかりやすいのは太陽光パネルの撤去・交換タイミングでの塗装ですね。パネルを外せば通常通りの屋根塗装によるメンテナンスが行えます。

ただ、太陽光パネルの寿命は一般的に20〜30年程度とされており、対する屋根塗装の寿命は10〜15年程度です。先に塗料が耐用年数を迎えてしまうため、パネル交換時期まで屋根塗装をしないというのは屋根の劣化リスクを高めてしまいます。

つまり、適切なメンテナンスのためには少なくとも1回は太陽光パネル設置済みの状態で屋根塗装のメンテナンスが必要になるということです。

太陽光パネルがある状態での塗装は、太陽光パネルはそのままで露出部分のみを塗装するか、一時的に太陽光パネルを着脱して屋根全体を塗装するかの2択になります。

屋根の露出部分は風雨や紫外線にさらされているため塗膜は通常通り劣化が進行していきますが、太陽光パネルに覆われている部分は風雨や紫外線の影響が少ないため露出部分より劣化が見られない傾向が高いです。

そのため、比較的新しい住宅で覆われている部分の劣化がないようであれば太陽光パネルはそのまま設置した状態で露出部分のみ塗装するという方法が一般的な方法といえるでしょう。塗る面積が少ない分コスト面にも優れます。ただし、塗装しない太陽光パネルの下部分と塗装する露出部分では、どうしても色や防水性に差が出てしまう点はデメリットといえます。

このデメリットを解消する方法として、一時的に太陽光パネルを着脱して塗装するという方法があります。この方法であれば色ムラも発生せず、屋根全体のメンテナンスが可能となります。

ただし、太陽光パネルの着脱は塗装業者では不可能なため専門の業者を呼ぶ必要があります。一般的には太陽光パネルの着脱費用には20〜30万近くかかるとされており、その分コストがかさんでしまう点に注意が必要です。築年数がある程度経過しているなど全体的なメンテナンスが必要な場合はこの方法を検討することが多いです。

太陽光パネルを設置した屋根を塗装する際の注意点

太陽光パネルは非常に繊細な設備なので、塗装作業中に誤ってパネルを踏んだり、工具をぶつけたりすることで不具合や故障が発生する可能性があります。

また、屋根塗装の前工程として屋根の高圧洗浄が行われますが、太陽光パネルに対して高圧洗浄は避けるよう伝えておくことも重要です。パネルに鳥糞などが付着している場合、洗浄することで発電性能の回復が期待できますが、水圧による破損や水道水のカルキ付着による発電性能低下などのリスクがあるため、基本的にパネルへの高圧洗浄は避けるようにしてください。

上記のようなケースで故障や不具合が発生した場合、メーカー保証の範囲外となってしまう可能性もあります。そのため、事前に業者に対して事前に細心の注意を払う旨を明確に伝えておくことが重要です。万が一のトラブルに備え、塗装前後の太陽光パネルの状態を写真で記録しておくのもよいかもしれません。

業者に対してではなく自身で注意しておく点としては、塗装中は発電量が低下することを理解することです。

塗装作業中は、太陽光パネルにビニールなどで養生を行うことが一般的です。この間は太陽光が遮られるため、発電量が低下します。屋根塗装は通常2〜3日程度で終わるため長期間の影響はありませんが、あらかじめ発電量の低下を認識しておくことが大切です。

これから太陽光パネルを設置する場合にやるべきこと

もし太陽光パネルをこれから設置する予定があるという方は、設置前に建物調査を含めて塗装工事を依頼することをおすすめします。屋根全体を均一に塗装できるうちに塗装を済ませておくことで見た目も屋根の防水性能も一番よい状態で設置が可能となります。

また、太陽光パネルを設置する前に、屋根の状態を専門業者に確認してもらうことも非常に重要です。パネルを設置することで単純に屋根の重量が増えますし、覆われた部分は劣化状況が確認しにくくなってしまいます。業者に屋根の状態を調査してもらった上で塗装も行い、万全の状態で設置するようにしましょう。

知識と経験に信頼のおける塗装業者へ相談しよう

太陽光パネルを設置した屋根の塗装は、屋根の状況や予算、メンテナンスサイクルなど色んな要素で最適な方法が異なります。

パネルを脱着せず露出部分のみを塗装する方法が一般的かつコストも抑えられますが、築年数によってはパネルを脱着して全体を塗装する方法が最適な場合もあるでしょう。屋根の状態によってはより根本的な屋根工事を検討すべき場合もあるかもしれません。

その判断を個人で行うには難しいので、太陽光パネルと屋根塗装の両方について知識を持った業者に相談し、自宅の状況に合った最適なメンテナンス方法を選択することが大切です。

信頼のおける業者によるメンテナンスによって、太陽光パネルの性能を最大限に引き出しながら、屋根の耐久性も維持することができるでしょう。

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